ホーム  >  相続不動産・不動産FPブログ  >  生前贈与

生前贈与
カテゴリ:相続不動産・不動産FPブログ  / 投稿日付:2019/03/12 00:00

 先日、当社で開催させて頂いた相続セミナーに来られたお客様から個別相談の依頼を受けました。70代の女性の方です。去年ご主人が他界され、やっと、相続手続きが終わり、落ち着いた様です。ただ、相続対策をされていなかったため、納税が大変で、10ヶ月の納税期限ギリギリに相続税を収めることができたそうです。
ご相談者には、息子さんとお嬢さんがいらっしゃいます。ご主人さんの時の教訓を生かして、余裕を持って相続対策をしたいというお考えをお持ちでした。 二時相続の時は、息子さんと、お嬢さんが法定相続人となります。そのお二人へ生前に資産を贈与して、節税対策することを決めておられました。現在は、時限立法ではありますが、贈与の特例が認められていて、大きな金額を非課税で贈与しやすい環境にありますので、贈与については大賛成です。

 まず、お嬢さんは結婚されており、不動産を所有されていないので、マンションの購入する時の資金を「住宅資金贈与の特例」を利用して1,200万円贈与されることを決めておられました。お嬢さんが贈与を受ける年の1月1日に20歳以上であれば、1,200万円の贈与受けてマンション(省エネ住宅)を購入しても非課税です。 贈与は公平・オープン・平等が原則です。息子さんにも毎年110万円の非課税枠を使って長期にわたって暦年贈与されるお考えでした。「毎年110万円を息子の通帳に振り込んでおけばいいのよね」とおっしゃいましたが、それは危険です。相続時に相続財産に持ち戻されて相続税を課税される可能性があります。

「贈与」とは、一方が無償で自己の財産を相手方に与える意思表示をし、相手方が受託することによって成立する「契約」です。贈与契約書が無いと贈与を否認されることがあります。さらに契約なので、認知症になってしまうと贈与できなくなります。法定後見人をたてて家庭裁判所の許可が出れば不動産売買契約はできますが、法定後見制度は本人の財産を守る制度のため、本人の資産が減る贈与契約はできません。長期にわたる贈与の計画では、認知症のリスクがあり、万が一の時には、贈与が平等になりません。   
そこで、「生命保険(終身)」を活用した贈与をご提案いたしました。お母さんが契約者と被保険者で、受取人が息子さん受取人で1,200万円の保険料を一括で支払います。契約後、契約者の名義を息子さんに変更します。その時点では息子さんは何もお金を受け取っていないので贈与税は発生しません。その後、毎年110万円以内でお金が必要な時に保険を部分解約すれば、贈与税がかからず解約金を受け取ることができます。部分解約が可能な保険を選ぶことを合わせてお伝えしました。

ページの上部へ