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借地権の相続評価
カテゴリ:相続不動産・不動産FPブログ  / 投稿日付:2019/03/23 00:00

借地権付建物の売却の依頼を受け、取引が完了しました。 物件の所有者は90代の男性、相談者は60代で所有者の娘さんでした。奥様もご健在で、もし仮に所有者が亡くなれば、奥様と娘さんの2人が法定相続人です。法定相続分は1/2づつですが、どちらもその物件を欲しいと思われてなく、むしろ要らないと言われていました。その物件だけを相続放棄することはできません。 借地権付建物の概要は次の通りです。

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◯築年数不詳(50年以上前の建築)約65㎡
◯借地権の契約書と賃貸契約書を紛失している
◯路線価150,000円、借地権割合60%  
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地主さんと、依頼者側の双方が代替わりしており、当時の契約内容をわかる人がいない状況でした。 借地権という権利は、地主の承諾が有れば売却することは可能です。この様な状況だと、購入する方を見つけるのは困難です。ですが、1人購入することでメリットがある人がいます。地主さんです。 交渉の最優先は地主さんに、借地権を「買ってもらう」底地を「売ってもらう」もしくは、一緒に売ることを打診することです。それが、ダメであれば、第三者への売却を検討しますが、この状況では買い手が付きません。 時間はかかりましたが、幸いにも100万円で地主さんに購入してもらうことになり、借地権付建物を処分する事ができました。

 
さて、この借地権付建物を相続(贈与)する時の税務上の評価はいくらくらいでしょうか?建物は古くてさほど評価はありません。土地は所有者ではないので評価されないのかというと、そうではありません。
路線価×㎡×借地権割合の約360万円が相続財産として計上されてしまいます。売却するだけで相続税がかかる方の場合、節税になります。  
正常な状況では、実際に売却するが金額は、相続評価よりも高くなっている事が多いのですが、稀に価値が逆転してしまってる不動産が見受けられます。例えば、借地権の他、「無道路地」「旧耐震の物件」「違法物件」「境界未確定物件」等々です。この様な物件は生前に問題を解決しておかないと相続税が高くなるだけでなく、もらった方も困ることになりかねません。一度、不動産のプロに見てもらうことをお勧めします。

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