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【失敗例】未成年が相続人の時の不動産相続
カテゴリ:相続不動産・不動産FPブログ  / 投稿日付:2019/04/09 00:00

マンションの売却相談を受けました。30代の女性からの依頼です。登山中の事故でご主人が若くして他界されました。マンションを処分して、実家に戻るという相談です。 ご相談者には小学生の男の子がいらっしゃいます。急な他界であったため遺言がありませんでしたので、法定相続人は、相談者の女性と小学生の男の子ということに民法により決まります。法定相続分は1/2づつですが、相談者の方はマンションの所有者は自分だけだと思って売却相談をされた様です。

通常、遺言がない場合、相談者1人を所有者として売却するには「遺産分割協議書」が整う事が必要ですが、未成年は遺産分割協議書に参加する事ができません。認知症の方と同じで契約行為をできない事になっています。通常の契約では親権者の同意があれば契約が成立しますが、この場合の相続では、マンションの所有者を母親だけにするという事を親権者が同意するという行為は、未成年の権利を奪う事になります。利益相反です。 遺産分割をする場合、親権者の同意ではなく「特別代理人」をたてることになっています。特別代理人は、家庭裁判所に遺産分割協議書案を提出して許可を得ることが必要となりますが、未成年者の権利を侵害する案の許可が下りることは難しいです。 これからの手続きの手間とコストを考えると、不憫でなりません。

妻に全ての財産を相続させる旨の自筆証書遺言でも有れば、相談者1人でさほど手間もかからず、預金も不動産も相続できた事例です。 年をとってからだけでなく、お子さんが小さいうちも保険の意味で「遺言」を残しておくとも大事です。遺言は、お子さんが大きくなった時に、何度でも作り直しができます。

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